アストンマーティン、ヴィラ・デステでVanquish Zagato Concept を公開

2016 年5 月20 日 イタリア・チェルノッビオ:
アストンマーティンとイタリアのミラノに本拠を置くカロッツェリア(デザイン・ハウス)のザガー
トは、長年のパートナーシップの最新作となるVanquish Zagato Concept を発表します。
Vanquish Zagato Concept は、2016 年5 月21 日~22 日にイタリア北部コモ湖畔で開催
されるヒストリックカーの祭典「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」で世界初公開され
ます。


Vanquish Zagato Concept は、50 年にも及ぶアストンマーティンとザガートのコラボレーシ
ョンから誕生した5 台目のモデルであり、アストンマーティンのスポーツ性とダイナミズム、
素材のクオリティへのこだわりと、ザガート特有のデザイン・ランゲージを融合させています。


自動車史に燦然と輝くアイコンである1960 年型DB4 GT Zagato に始まり、新しくは2011
年型V12 Vantage Zagato へと繋がるコラボレーションは、アストンマーティンのデザイン
史の重要な道標であり、モータースポーツをインスピレーションの源とするザガートのデザ
イン・ランゲージが明確に表されています。これまでに誕生した4 台のスポーツカーは、ア
ストンマーティン・デザインの中でも特に前衛的な作品として知られています。

Vanquish Zagato Concept は、マレク・ライヒマン率いるアストンマーティン・デザインチー
ムおよびイタリアのミラノに本拠地を構えるアンドレア・ザガートと彼の専任デザインチーム
の密接なコラボレーションによってデザインされました。英国ゲイドンのアストンマーティン
本社で開発・エンジニアリングされたこのコンセプトモデルは、アストンマーティンならではの
プロポーションが維持され、今にも走り出しそうな躍動感とダイナミズムが強調されていま
す。すべてのボディワークはカーボンファイバーで製作され、大きな1 ピースパネルを使う
ことによって、ボディパネルの継ぎ目に現れるスプリット・ラインを大幅に減らしています。円
形リフレクターを採用したテールライトは、ザガート・デザイン伝統のリアビューを彷彿とさせ
ます。さらにこのユニットには、サーキット専用のスーパーカー、アストンマーティンVulcan
と同一のLED“ブレード”テクノロジーも応用されています。


アストンマーティン・エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼チーフ・クリエイティブ・オフィサー
のマレク・ライヒマンは、Vanquish Zagato Concept について次のように述べています。「ア
ストンマーティンは長年にわたって、独自のデザイン・ランゲージを発展進化させるとともに、
洗練させることに磨きをかけてきました。さらに、CC-100、One-77、Vulcan などのスペシャ
ルシリーズ・モデルによって、時代の先を追い求めてきました。Vanquish Zagato Concept
は、アストンマーティンとザガートが力を合わせ、いかにしてアストンマーティン・デザインの
境界を押し広げるかを雄弁に物語っています。」


また、ザガート最高経営者(CEO)のアンドレア・ザガートは、「私たちは、アストンマーティン
との強力なパートナーシップとともに、両社の叡智を見事に共有してVanquish Zagato
Concept を製作したことに誇りに感じています。このニューモデルは、50 年前から連綿と続
く重要な関係の本質を表しています。」と述べています。


Vanquish Zagato Concept には、One-77 由来のドアミラー、DB11 の空力プロフィールの
流れを汲む彫刻的なリアエンド、リトラクタブル・スポイラー、ラゲージ・コンパートメントにア
クセスするためのリアハッチなど、アストンマーティン・コンテンポラリー・デザインの要素が
各所に見て取れます。ロアボディ全域に装着されたカーボンファイバー・シルにより、フロン
トからリアまで特徴的なラインが描き出され、そこから4 本のエキゾーストが雄姿を見せま
す。

Vanquish Zagato Concept のガラス・エリアは、バイザーのようにボディワークを包み込み、
アグレッシブなスタンスを強調しています。アストンマーティン・デザインの象徴であるサイド
ストレーキは、DB11 と同様にホイールアーチからドアまで伸びています。このディテールは、
創業100 周年記念モデルであるCC-100 に初採用されたものであり、Vanquish Zagato
Concept においていっそうの進化を遂げています。また、リアホイール・アーチのシャープ
なクリースがリア・フランクへと溶け込み、流麗なルーフラインと融合しています。


ルーフには、アイコン的な“ダブル・バブル”が施され、なだらかなルーフラインの曲線がそ
のままリヤウィンドウへと繋がり、特徴的なリア・シルエットを創出しています。“ダブル・バブ
ル”は、1950 年代初頭からザガート・デザインのシンボルとみなされていますが、本来は空
力への影響を最小限に抑えつつ、ヘルメットを着用したレーシングドライバーのヘッドクリア
ランスを確保するために採用されたデザインでした。大胆なエクステリアに呼応するよう、自
然吸気V12 エンジンにもアップデートが施され、最高出力は600PS に達し、ドライビング・
ダイナミクスが向上しています。


インテリアには、アストンマーティン一流のクラフトマンシップの伝統が余すところなく表現さ
れています。ヘリンボーン・カーボンファイバー、アルマイト処理されたブロンズ、アニリン・
レザーを組み合わせてダッシュボードを製作し、ベントやロータリー・スイッチには豪華な素
材クオリティが明確に現れています。シートやドアセクションには、ユニークな“Z”パターン・
キルトがあしらわれ、ザガートのイニシャルである“Z”が、ヘッドレストにはエンボス加工で、
センターコンソールにはステッチで、それぞれ施されています。